こんにちは!おふとんです!
「だからゲームってやめられないんだよなあ!」とゲームの素晴らしさに改めて気づく作品が、定期的にかつ突然あらわれます。
こういう作品というのは、クリアするまでそれが分からず、しかも他人のレビューからは絶対に想像できないものです。
いつだってそれは自分の中にしかなく、しかもクリアした時にだけおとずれる。
そう考えるとけっこう特別な存在ですな。
そして、DREDGEがそれだった!びっくり!クリアするまでやっぱり分からない!ゲームって楽しい!最高!
クリア時間は15時間でした。とても良い塩梅のプレイ時間です。
効率的に動けるお方でしたら、10時間ぐらいでしっかり楽しめるでしょう。
ネタバレするよ
キモカワなイラストで描かれる魚たち(かわいい!)
DREDGEは『クトゥルフ要素のある釣りゲー』という、めちゃ魅力的なキャッチコピーでよく紹介されています。
なんだか得体のしれない怖さがあるというのが、わたしの中のクトゥルフです。
釣った魚は、変なぶつぶつがあったりウロコが溶けていたり、
目が飛び出したりしてるのかなと思っていました。で、本当にそんな感じの魚が釣れました。

イラストで描かれたグラフィックは、何かに感染したような魚の気持ち悪さをかわいさに変えてくれる力があり、釣りがとても楽しかったです。
「次はどんな奇妙な魚が釣れるのかしら」と終始わっくわくだった。
釣り自体は適度に緊張感があります。
ゲームを始めたばかりの時は、タイミングをはかることに慣れずうまく釣れない時もありました。
焦ると釣れないんだなあーそしてさらに焦る。

釣りの緊張感というものの正体は、DREDGEを遊んだ人にしか分からないものです。
あっという間に夜になるのよ

釣りをしているとどんどん時間が過ぎてゆきます。失敗して何も釣れなくても時間は過ぎてゆく…。
でも失敗すると「絶対釣ってやるぞ」という謎の強い気持ちが湧いてきましてね、
思わず時間を忘れてしまうんです。
夢中で釣りをし終えてあたりを見渡すと、いつの間にか夕方になっているわけです。
そして、夕方はあっという間に霧のある夜になります。
日中の海と夜の海はまったく違う場所。夜の海は、黒くて大きくて何かがいる感じがします。
DREDGEの夜の海もとにかく暗く、たくさんの目がこっちを見ていたり、カラスがぎゃあぎゃあとついてきたり(めっちゃ夜中なのになあ…)、
赤くて大きなシャボン玉のようなものがそこかしこにあって、近くを通るとぺったりとくっついてくるのです。
暗い海から何かが船に乗り込んで釣った魚に感染したり、何かに追われている気がするけど後ろには誰もいない。

そして、何かをささやいている声が夜じゅうずぅっと聞こえてくるのさ。これが一番怖い演出でした。
なぜなら、わたしもこんな感じの声を夜の海で聞いたことがあるからです。ま、風の音なのかもしれないよね…ね!
怖い怖いとビビっていると手元も狂うので、そこらへんの岩にぶつかりまくります。
暗くて前がよく見えないからしょうがない、しょうがなくない!ぶつかるのやだ!
このゲーム、ほんのちょっとだけでも岩にかすると船が壊れます。
船をアップデートしていない序盤は、ほんのりと二回ほどかするだけで転覆してゲームオーバー。厳しすぎる!
壊れた船の修理代も貧乏人には高い(そのお金でもっといい釣り具がほしい)、だから絶対に岩に当たりたくないのです。
お金がなくなるのはクトゥルフ以上に怖いんだ!わかってんのか!(突然)
一度当たって修理するのならば、二度当たって転覆させてしまえ!という気になってきます。
ゲームオーバーにして途中のセーブからのほうがお得!
夜の海を進むことになってしまう理由って、だいたいは釣りをしている時に時間配分を間違えてしまったり、時間が経つのを忘れてしまうことにあります。
あと、メインクエストでは夜にしか釣れない魚がほしいと言ってくる人(このやろう)もいて、どうしても夜に釣らなければいけない場面がでてくるんですよ。
夜の釣りは、変な声とか変な音とかなにやらが聞こえる中で集中しなければなりません。
こういう時に限ってうまく釣れない。焦る、さらに釣れないを繰り返して、その間にめっちゃでっかい魚が突撃したりしてきてさ!
もおおおおお!こ、わ、い!早く帰りたいけど釣りたい魚もある!
もう二度とこんなところに来たくないからどうにか釣りきってしまいたい!
でも突撃されたり変なもやもやに取り囲まれたりして船がやべえ!
というかプレイヤーのわたしの精神がやべええ!
という感じのゲームです。心が乱されるねえ。
ゆったりと遊べるゲームではありつつも、夜は想像以上に激動な精神状態を味わえます。
船や釣り道具のアップグレードがとても楽しい
後半になるにつれて、夜の海が怖いよ怖いよすることがだんだんと少なくなっていきます。というか釣りすらしなくなっていく…釣りゲーなのに。
だって、船や釣り道具をアップグレードしていくからです!ふう!
アップグレードの恩恵がとても大きく感じます。使える道具も増えていくよ!
わたしのお気に入りは、トロール網!

ぐでーんとトロール網を船のうしろに垂らして海を右往左往しているだけで、魚が取れていきます。
釣りゲーなのに釣りがめんどうなわたしにはぴったり!
たまにレアな魚も取れちゃうので、船を止めて釣りをするなんていう非効率なこと、もうできないですよ、ねえ!
あとは、船に取りつけるエンジンをアップグレードすることも超大事です。
エンジンをアップグレードする前は、島から島へ移動する途中で夜になってしまうことがたくさんありました。
あまりにも船の速度が遅いためです。びっくりするほど遅い!
序盤はこのチンタラさにうんざりして「なんかつまんない」となりがち。わたしもそうでした。
だって、他の島に行けないんですもん。そうなると新しいお魚にも出会えないし、ストーリーも進まぬ。
だけどどうでしょう!エンジンをアップグレードするだけで、どんどん生活と心に余裕が出てきます。
(ちなみに終盤の船なんて爆速よ!島から島から島へ…って島をまたぐことだってできちゃう!)
スピードを手にしたら、いろんなことが良い循環で回っていきます。
お金も手に入るし、いろんな釣り具も手に入って、そしたら奇妙なお魚とか、かごを使ってでっけえカニも取れたりして、
よく分かんないけど魚釣りってめっちゃ楽しいなあ、なんて、クトゥルフ的な怖さを忘れるぐらい漁師としてのやりがいを見いだせます。わたしは漁師です。
終わり方が好みすぎた

エンディングはふたつあるようですが、どちらも見るなんてことはしないですよわたしは。これはわたしの物語なので、あるがままのプレイで片方だけ見ました(ただめんどうくさいだけ)。
わたしが進んだエンディングはたぶんバッドエンドですが、とても美しいものでした。
このゲームを始めたころから「各島に散らばった遺物を集める」というクエストをずっと進めていました。
その遺物5つをがんばってやっと集めた!というのが前提です。
妻が波にさらわれてしまった場所まで行き、集めた遺物をひとつひとつ海に沈めます。
遺物のひとつであるオルゴールは鍵を付けたまま投げ込んだので、音楽が鳴ったまま…(イイ!)。遺物を投げ込みながら、言葉を唱えていきます。
一体何をしていたのかと言いますと、死んだ妻を蘇らせる儀式をおこなっていたんですねえ。
赤い光に包まれた妻が海中からふわふわと浮かんでくる姿は、禁断の香りをまといつつも、主人公にとっては夢のような光景だったでしょう。
ただ、こういうね、死んだ人を蘇らせる儀式はやはり禁忌なのです。
でももう一度会いたい。愛する人にもう一度、会いたい。
儀式には等価交換が発生することを、われわれは鋼の錬金術師という漫画でしっかりと学んでいるので、嫌な予感がするなと思った矢先に的中します。
船の目の前にはクトゥルフ的な、でっかーーーーい何かが姿をあらわします。
そして、ゲームのスタート地点であるグレートマロー島が、炎に包まれている場面を延々とうつしながらのエンドロール!
こんな美しいエンディングある!?
わたしががんばって集めた遺物は、バッドエンドのためにあったんかと!ふおお
とはいえ、主人公にとっては愛する人にもう一度会えたので超絶ハッピーエンドだったでしょう。
真っ黒い海と、背景を覆いつくしてしまうぐらい大きな邪神と対比して、愛する妻の小さくてほのかな美しさよ。
言葉で説明してもしょうがない。視覚的な描き方がとても美しくて、DREDGEの魅力を凝縮した最後でした。
終わりに

「釣りゲーだしゆったりやろう」と初めのうちは心穏やかに遊んでいたんですが、
夜が怖いというのが要因で効率を求めてはじめていました。
なるべく一度で複数のクエストを終わらせたい、みたいな。
「このルートでいけば3個ぐらいの雑用を終えられるかな(夕方までに帰りたい)」ってな感じで、けっこうシビアに日常を送るはめに。
ただどうにもうまく予定が組めない。予想と現実の乖離が大きいというか。
雑用に時間が大幅に取られて夜になって涙目になったり、クエストが上手にできず何度も同じ場所をぐるぐるして無駄な一日を過ごしたり…。
ホラーゲームみたいに怖い場面なんてないはずなのに、夕方には停泊したいプレッシャーが大きく
「どうにか効率的にできないものか」と序盤は自分の首をしめていました。
派手な演出がないだけで、夜の海は怖かったことはたしかだったので、
なんだかんだで心理的に追い詰められる感覚はあったんだと思う。
そういうことも含めて、とにかく楽しかったです。
そういえば氷のフィールドが追加されるDLCがあるようなので、これはぜひやりたい。
本編だけで満足しがちなわたしがDLCまで遊ぶなんて、本当におもしろかった証拠です(上から目線はやめよう)。
ということで、いろんなスクショをどうぞ~!
ここまで読んでくれてありがとーう!
思い出のスクショたち







スクショを見直していろいろ思いだした。幸せな時間を過ごせたなあ~。
良いゲーム人生を🐋
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